【レビュー・要約】敗者のゲーム 著:チャールズ・エリス

読書感想

皆様こんにちはこんばんは。最近積立NISAを始めたCalm.です。

今回は積立NISAにも生きる投資の名著「敗者のゲーム」を読了しましたのでなるべく詳しく、わかりやすくまとめておこうと思います。

敗者のゲーム[原著第8版] [ チャールズ・エリス ]

価格:2200円
(2025/1/1 17:56時点)
感想(24件)

投資の答えはインデックスファンド!

結論は至ってシンプル

それは投資で資産を増やしたいならインデックスファンドと呼ばれる投資信託へお金を入れること

そして入れたお金を時間をかけて運用し続けること

この2つだけです。

ではなぜこの2つが重要なのかを「敗者のゲーム」から読み解いていきましょう!

投資で儲けようとすれば「敗者のゲーム」になる

投資で稼ぐと言われたら株を買って、値段が上がったら売る。

これを繰り返して差額分を稼ぐと言うイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

しかし本書では株式の売買を繰り返すことこそ「負け」に繋がるとされています。

「日経平均株価」という言葉は皆様ご存知かと思いますが、これは特定の株式銘柄225種類を選び、その株価を使って割り出す平均値です。

同じように特定の数多くの銘柄から割り出されるアメリカ経済の指標を表す数字「S&P500」と言うものがあります。

これはアメリカ企業の銘柄500種類の時価総額を指数化したものです。

これら特定の数値に連動して変化をする投資信託を「インデックスファンド」と呼びます。

さて、ではこのインデックスファンドに勝てる人はどのくらいいるでしょうか?

なんとプロの投資家ですら1年間インデックスファンドに勝てたのは約3割です。

しかも連続して勝てるケースはさらに少なく15年間で見ると1割程度しか平均値に勝つことはできていないそうです。

そんな中、積立NISAのように個人で投資をする我々がプロですら1割しか勝てない売買で利益を出そうと言うのはまさに「敗者のゲーム」と言うわけですね。

資産運用で大切なポイント

さてさて、上記で書いた通り特定の「指数」と同じように変化するインデックスファンドがなぜ最強なのかという話をしましょう。

まずアメリカの企業における時価総額上位500銘柄の時価総額に連動する指数に「S&P500」と言うものがあります。

具体的な名称としては「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「楽天S&P500」といった投資信託があるわけですよ。

では仮に情報を素早く集め、変化を敏感に感じ取り、先回りをすることができれば指数の成長速度を越して売買の差額を最大化し、効率よく稼げるとは思いませんか?

このように指数よりさらに効率よく利益を産むため売買を頻繁に繰り返し買値と売値の差額も収益に取り込もうとする方法を「アクティブ運用」中でも投資信託を「アクティブファンド」と呼ぶのです。

ではインデックスファンドアクティブファンドどちらが結果を残しているでしょう?

お察しではありますが、時間をかければかけるほどインデックスファンドの方が結果を残します。

理由は個人で株式の売買をしていた人が大半だった時代に変わり、プロの投資家(機関投資家)による取引が市場のほとんどを占めるようになったからです。

そうなると「値動き」という概念は機関投資家の売買そのものになります。

つまり機関投資家同士の読み合いになる訳ですが、限界まで研ぎ澄まされた彼らの実力は拮抗し、些細なミスによって負ける「敗者のゲーム」が出来上がる訳です。

当然繰り返し売買する中で1つの予想も外さない全くミスもなく売買を繰り返すというのは現実的ではありません。

しかも、売買を繰り返すということはそれだけ税金や手数料が発生します。

つまり市場の伸びに加えて手数料や税金を支払った上でそれ以上の利益を出さなければならないのです。

だからこそ短期的に勝つことのできる運用機関はあっても時間が経つごとに勝ち続けられる機関はどんどん減っていきます

そして機関、組織的に投資を行なっていても勝ち続けられないので個人の投資家では資金力も情報量も劣っている以上勝ち続けるのはさらに困難を極めるでしょう。

結果として単純に市場の動きに連動し、売買の回数が少なく支払う税金が少ないために手数料も安いインデックスファンドの方が長い目で見れば圧倒的に低リスクで高いリターンを生み出せるという訳です。

しかもインデックス投資では投資で得た利益をさらに投資し続けることで「増える金額」自体が増えていきます。

例えば100円が1年間で110円になったとします。

2年後には110円に対して利益が出るので121円になり、これを繰り返すと途方もない数字になります。

このように配当が勝手に増えていくことを「複利」と呼び、この効果を最大限活かすことこそが最大限利益を産む方法だと語られています。

それでも「市場」以上の利益を生み出したいのなら

さてさて、上記の通り個人が一生で投資するような額を1日で売買するような規格外なプロ投資家がひしめき合う混沌とした「市場」だが、それを理解してなお平均以上のリターンを得たいと考える人もいることかと思います

本書を読んだ私、Calm.としてはオススメしたくないところではございますが・・・

ただ、重要なのはやはり「タイミング」のようです。

安く買って、高く売る。

実にシンプルで分かりやすいと思います。

しかし、同じことをプロ投資家も狙っています。

つまりプロの投資家より正しい判断を繰り返すことこそが市場に勝つ方法です。

そして興味深いのが売買による利益を最大になるタイミングについてです。

S&P500でのデータになりますが

20年間の株のトータルリターンの【全て】はたったの35日の間に生まれています

このベストデーを見極めた売買ができるのであれば得られる利益は計り知れないものになるだろうと語られています。

しかし、当然ではありますが逆に売買を繰り返すことでこの期間を逃すとどれだけの損失になるかはいうまでもありません。

大変ロマン溢れる手法ではありますが皆様もお気付きの通り実的ではないかと思いますので素直に長期投資で市場にお金を置き続けることで最大のリターンを得られる日を待つ方が賢明かと思います。

「リスク」について

一般的に「リスク」という単語を使うと危険なものというイメージが強いはずです

ですが投資におけるリスクとは値動きの幅のことを指します。

リスクが大きいほど最高値は高く、最低値は低くなります。

ある日突然株価が下がって売ってしまったり、突然上昇して舞い上がって売ってしまうようでは長期投資で最高のリターンを得ることはできません。

しかもその後値上がりし始めて慌てて買い戻そうものなら高く買って安く売ってしまう構図が出来上がってしまいます。

本来値段が下がった時には買い増ししなければならないのにこのように気づけばやるべきことと真逆になってしまうことがよくあります。

だからこそ私たちはどのくらいの値動きをすると気持ちに負けて売買をしてしまうのかを知っておかなければいけません。

その人の性格、資産状況、収入、年齢、人生設計など様々な状況で耐えられる値動きの幅は変わります。

これらの自己分析を怠ると安易に売買をしてしまう訳ですね。

そして売買を繰り返すと前述した通り、手数料や税金が余計に発生し市場に勝つことは難しくなるのです。

まとめと感想

今回は概要をまとめた記事になりますが本書には具体的な統計などのデータも記載があってよく読みこめば本当に投資を長く続ける支えになると思います。

世の中には短期売買で一発当てましたというような話が蔓延っていますが、実際の投資は長い時間をかけて少しづつ成長させるものです。

身近なところでは年金なんかも資産運用することで増やして賄っていますからね。

私も超長期間の運用で老後資産くらいは賄っておきたいなと考えている次第です。

特にNISAは運用益に税金がかからないので分配金を投資信託内で自動的に再投資してくれるファンドと相性がいいんですね。

投資を考えているのであればとりあえずの一冊として読んでおいて間違いはないと思いますので気になる方はぜひ手に取ってみてください。

以上、Calm.でした。



敗者のゲーム[原著第8版] [ チャールズ・エリス ]

価格:2200円
(2025/1/1 17:56時点)
感想(24件)

コメント

タイトルとURLをコピーしました